
カナダでは町と自然が身近なこともあり、野生動物が日常的に見ることができます。私の住んでいる家の周辺でもリスやウサギ、ブラックベアーなどの動物を見かけるほど、特にウィスラーは野生動物との距離が近い町です。旅行で来た方も、野生動物を見ることができれば思い出にも残りますよね。
それも、野生動物保護法という法律や野生動物保護団体の積極的な活動により、共存ができているのだと思います。
しかし、最近では野生動物とのトラブルの話も耳にします。昨年の12月以降バンクーバーのスタンレーパークでは、コヨーテによる襲撃が45回もあり、11匹のコヨーテが殺処分となってしまいました。さらに、先日のニュースでは、ウィスラーで2018年に熊に餌を与えていた方が話題となりました。その餌を与えられていた3頭の熊も安全上の理由により殺処分となってしまいました。(熊に餌を与えた女性に6万ドルの罰金)
野生動物にエサを与えてはいけません。
野生動物に人間が餌を与えることは、自然界のバランスに大きい影響を与えます。自分で採りにいかなくても与えてもらえることから、狩りなどの能力が衰え飢え死にしてしまうこともあります。
また、餌が少ない時期や冬眠前などには多少気が荒くなりますが、それがより積極的になり、人間が餌を与えてくれると思い込んで襲い掛かってくるようになってしまうそうです。

もちろん、直接与えなくても落ちているゴミから、その場で食べ物を漁るようになることもあり、ゴミを持ってくる人間に対し攻撃的な行動をとることにも繋がります。
野生動物に餌を与えた場合、$500の罰金が科せられます。
このような状況を受け、バンクーバーの公園を管理している管理局では、公園で野生動物にエサを与えた場合$500の罰金を徴収することが決定されました。既にクマなどの危険な動物に対する条例はありましたが、危険ではない動物(コヨーテ、アライグマ、ハトなどの鳥類)にも同じく条例を設けました。直接餌を与えること以外でも、ゴミの放置などにより間接的に与えることになる行動に対しても適用されます。
可愛らしい野生動物を守りましょう。

この条例はバンクーバーの公園で適用されるものですが、罰金がないからといって他の場所でエサを与えたりしないようにしましょう。
冬のウィスラーでは、スキー場でウィスキージャックという鳥をよく見かけます。リフト待ちの間、手を挙げると手に乗ってくれることもあったりと可愛らしくアイドル的な存在です。
しかし、手に乗ってもらうために手の上にナッツなどを乗せ、エサでウィスキージャックを呼ぶ行為を見かけるようになりました。こういった行動が目立ち、一昨年からは「エサを与えないで」という看板が設置されています。
可愛らしい姿についエサを与えたくなったという方もいると思いますが、それが結果的に可愛い野生動物を苦しめることになってしまうため、決してエサを与えたりごみを放置したりしないように注意しましょう。