<2016/06/19更新>

MTBキャピタル・ウィスラー

 夏のウィスラーローカルにとってMTBはエコな交通手段としてだけではなく、家族や友人と一緒に楽しむコミュニケーション・ツール、身体を鍛える最高の健康手段でもある。  夏の定番となったクランクワークスでは、北米を中心に世界からトップレベルの選手が集まり、XCをはじめダウンヒル、スロープスタイルなどの競技、トライアルやデモなど盛りだくさんのお祭りイベントとなっている。

 2010年8月のクランクワークスでは、パンプトラック・チャレンジというのも行われた。 パンプトラックって聞きなれない言葉だが、身体全体や外足を使ってMTBに圧を加える(パンプ)ことによってMTBを加速させる技術によって競う。 こういったMTBを使った遊びがますます進化し、多様になってきている。  MTB先進地域の北米でも、ウィスラーのMTB事情はその最先端をいっているのではないだろうか?  そんなウィスラーのMTB事情を簡単に紹介したい。

 

バレー・トレイル (Valley Trail) 

バレイトレイル

 冬より夏のほうが公共のバスの本数が減るウィスラー。 それは、夏はMTBを交通手段として使っている住人がすごく増えるから。 その主な通路となるのがバレートレイルと呼ばれるダブルトラックの通り道。  これは、MTBや歩行者のためにウィスラーの中心地であるビレッジから、それぞれの住宅地に向かって車道とは別に整備された、もしくは整備される予定の道路。

 基本的には舗装されているが、ロストレイクという湖の周りにはダブルトラックやシングルトラックのオフロードもある。  南に向かっては、オリンピック選手村だったチャカムスクロッシングの新しい住宅地まで15kmぐらいあり、北に向かってはエメラルドという住宅地まで8kmぐらいの距離がある。  

 このバレートレイルを走るだけで、雪山や湖、小川、湿地帯、ゴルフ場の景色といった写真ポイント。 それぞれの公園やビーチ、テニスコート、子供たちの遊び場など、生活の場なども見て周ることができる。  トレイル脇では春から秋にかけて、野生の花やベリー類が季節変化の彩りを与える。 朝や夕方などは、時々クマもバレートレイルを歩いていることがあるので気をつけなくてはいけない。  

 ビレッジ近くのバレートレイル脇には、スケボーパークとMTBパークがある。 そこにはキッズ向けのパークから、本格的にジャンプのできるパークまでがそろっている。 アルタビスタという住宅地のそばやファンクション・ジャンクションにはパンプトラックもあり、誰でも気軽にパンプトラックに入ることもできる。  

 ウィスラーでは、自分の家から一歩でたら、そこはもうMTBトレイルといっても過言ではない。 まさにウィスラーは町全体がMTBフィールドなのだ。 ウィスラーを知りたかったら、まずバレートレイルを走破することだろう。   続いてイベントを紹介したい。 

 

ツーニーレース(参加費2ドルで楽しめる毎週木曜に行われるレース)

 ウィスラーで最も人気があり人々が集まるレース。 ウィスラー最大の社交場といってもいい。 もともとは、MTB好きの仲間たちが集まって1ドル出し合い、レースをして一番早かったものが全部もらうという単純なものだった。 レースの後はみんなでビールを飲んで語らう。 
    
 始まったのは20年ほど前、初めは1ドルの参加費だったのでルーニー(1ドルコインの通称)レースだったが、口コミで人気が広がり、多くの参加者を数えるようになった。 例年4月下旬から始まり、9月いっぱいまでの毎週木曜日がレース日。 1000人以上の登録があり、多いときでは300人以上が参加する。

 日本からも全日本現役レーサーが参加したこともあるが、「全日本大会より人が集まっているし、面白い」と言っていた。 事実カナダのワールドカップレーサーも参加しているので、このローカルレースでトップをとれれば、ワールドカップ並みと言っていいだろう。

 かつて、シャトーウィスラーホテルがスポンサーで、レース後はホテルでパーティーというのがあった。 誰かが「ホテルでパーティーなら、男性は黒いネクタイ着用で、女性はドレスアップしなければならないだろう」と言い出して、そのレースでは男性は黒ネクタイ着用、女性はドレスアップとコスプレ大会大レースになった。 その参加者大集合の写真はいまでもウィスラー市役所に飾られている。 ちなみにウィスラーでは市会議員さんや市長さんも、そういった職である以前にスキーヤーやマウンテンバイカーであるので、普通にツーニーレースに参加している姿を見る。

 

さまざまなレースやイベントがウィスラーを中心に行われている。  

 一番のクラシックなシングルトラックのレースといえばチャカムス・チャレンジだろう。 お隣スコーミッシュをスタートして、ウィスラーまでの約70kmをシングルトラック中心に走ってくるレース。 9月下旬に行われるので、MTBシーズン最後の大イベントだ。  

 他にも大きなレースとしてはテスト・オブ・メタル、ギア・ジャマーレースなどがスコーミッシュで開催されている。 2001年から7年間だけ開催されたレースがサムライ・シングルトラックレース。 これでは毎年違うシングルトラックのコースで、優勝者にはサムライの称号が送られていた。 7年間で7人のサムライが選ばれるという限定レースイベントだった。  

夏の恒例になっているのが、クランクワークスという北米最大のMTBイベント。 ここではMTBの未来をも見ることができる。 

 さて、ウィスラーのMTB事情については書きつくせるものではない。 まずは来てもらいたい。 MTBにのらなくても、ウィスラーでマウンテンバイカーたちを見て楽しんでもらいたい。 もちろん自分たちも楽しんでもらいたいけれど。  (文: マウンテンバイクの鬼 Hiper Noguchi)

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